ITエンジニアであれば退職エントリを書くところ、ITエンジニアじゃないのでこれはただの日記だし、俺はただの人。
「ITエンジニアであれば、〇〇だ」
みたいなフレーズがなんか息苦しい。から、俺はたぶんITエンジニアじゃないんだと思っている。
それは別にITエンジニアという人種が嫌いとかそういう話じゃなくて、「っぽさ」みたいなものにどっぷり浸かっていくことが苦手なんです。 パーティで、別に雰囲気は嫌いじゃないんだけど、壁際でビールを飲んでる方が落ち着く、みたいな。
輪のはしっこにいたい理由は2つある。
ひとつは、そもそも俺のコアスキルは情報収集力というあんまりインスタ映えとか履歴書映えとかしそうもないもので、俺はそれを使ってエンジニアのふりをしているだけの人に過ぎない。 詐欺師症候群というバズワードがあるらしいけど、なんのその、詐欺師としてやっていくぞ!という覚悟でやってますわい、ガハハハッ。 てなもんで、その特性上、あんまり輪の中心にいても役に立たない。
俺のコアスキルはたぶん情報収集力で、コアスキルというかこれくらいしかできないけど、幸か不幸か、自分に自信がない方向のネガティブさと親和性が高い。これはもう分かった、みたいな感覚になることがあんまりないから。
— Hiroaki Yutani (@yutannihilation) 2018年3月9日
もうひとつは、「真のITエンジニア」みたいなものが輪の中心にあって、そこからの距離で直線的に価値が決まる、みたいな世界観に飲まれるのが怖い。 年収の話とかみんな好きだけど、そういう数値化されるものはほんとうに苦手(生きていくためにもうちょっと得意にならないとなあと思ってる...思っては、いる)。
最近読んでいた「都市と野生の思考」で鷲田清一が近いことを言っていた。ちょっと長めに引用するとこんな感じ。
「あいつ頭ええなと言われたら、馬鹿にされてると思え」と、桑原武夫先生が口癖のように言われていたと聞きました。 「あいつはおもろい」と言われて初めて褒められたことになるんだと。 「おもろい」とは、これまでの通説や、それらが依拠している基盤そのものを揺るがし、覆す兆候を見て取ったときに発せられる言葉です。 これに対して「頭がええ」とか「できる」というのは、今、流通している基準の中で測られた評価でしかない。
ほんまそれ。測られたくない。
自分を安易にアイデンティファイしたくなる欲求と戦いながら、ITエンジニアという概念とのほどよい距離を探す日々です。